スキルス性胃がんとは

癌細胞が胃壁の中を広がるようにして進行し、胃を硬くしてしまうものです。

スキルス性胃がんは女性に多い

通常の胃がんは男性に多く、年齢では50歳代以上のことが多いのですが、スキルス性胃がんの特徴として、30歳代と40歳代の女性の多いことが上げられます。

スキルス性胃がんは発見しづらい

粘膜の表面に変化を起こさないため、なかなか発見されないという特徴があります。せっかく定期的に検診を受けていても、見落とされてしまうことが多いのです。検診を受けたとしても100％の精度ではありませんので、初期症状のうちに発見できるとは限らないのです。スキルス性の場合には、特にその傾向が強いと言えます。

スキルス性胃がんの症状

初期の内は顕著な症状が見られないことが多く、進行すると胃痛や吐き気、膨満感、吐血、貧血、動悸、息切れ、めまいといった症状が出てきます。また、スキルス性胃がんは背中の方に広がりやすいため、腰痛を起こすこともあります。

スキルス性胃がんと転移

症状が進行してから発見されることが多いため、診断を受けた段階で転移が始まっていることが多く、およそ60％の方に転移が見られます。転移は症状の進行度を示す病期（ステージ）の判定にも影響します。ステージが進むことによって､5年生存率は顕著に低下していきます。転移しやすい部位の1つに腹膜があり、腹膜に転移することによって、腹水がたまり、がん性腹膜炎を起こしやすくなります。

スキルス性胃がんの治療

手術を行える場合には、手術を中心とし、抗がん剤や放射線治療を組み合わせることになります。ただし、スキルス性胃がんは手術を行えないほどに進行してしまっている例も多く、たとえ手術を行えても再発するケースが多いという現実があります。手術を行えない場合には、抗がん剤や放射線治療を行うことになります。また、末期に至っている場合には苦痛のコントロールが主眼となることもあります。